不妊症の症状

女性の身体は、30歳を過ぎる頃から妊娠するための機能が徐々に低下するといわれています。
身体の老化に合わせて卵子も老化することや、排卵のためのホルモンの分泌量が低下するなど、健康な身体であっても、年齢とともに妊娠の確率も低くなってしまいます。

妊娠を望んですぐに妊娠できるとは限りません。
妊娠しにくいかもしれないという人の条件についてまとめてみました。
高齢での妊娠・出産を考えている人で、当てはまる条件のある人は、不妊ということについて考えてみるのもいいかもしれません。

◆女性の身体からのサイン
・生理の量が少なすぎる場合や多すぎる場合
・生理痛がひどい場合
・生理が重い場合
・生理の間隔が短すぎたり、逆に長すぎたりする場合
・生理が不順な場合
・無月経になっている場合
・おりものに異変がある場合
・性交時に痛みがある場合
◆生活習慣など
・喫煙(夫婦ともに、またはどちらかの場合でも)
・極端な肥満
・無理なダイエットによるやせすぎ
・セックスレス(セックスの回数が少ない)
・ストレスにさらされている
◆男性の側の状況
・ED(勃起障害)
・性器を手術した経験がある

上記の条件に当てはまるものがあり、避妊をしなくなってから2年以上経つのに妊娠しない場合や、排卵日にあわせて性生活をしているのに妊娠しないという場合は、不妊について産婦人科医に相談される方がいいでしょう。
高齢になると、不妊治療の効果も出づらくなります。
早めの相談・治療をされた方が妊娠への近道になります。

  


高齢での不妊の割合

WHO(世界保健機関)は、「不妊」の定義を「避妊をしていないのに2年以上にわたって妊娠に至らない状態」のこととしています。

赤ちゃんが欲しいと望んでいるのになかなか妊娠できないでいる場合は、不妊治療をすることで赤ちゃんが授かる場合もあります。
現在では全出産の13.7%の割合で、不妊治療を行なったという報告がされており、8組に1組が不妊治療をして出産していることになります。

不妊の原因の半数は、無精子症など男性の側にあると考えられています。
残りの半数である女性の側の理由については、女性の体内での妊娠のメカニズムを考えた上で、大きく三つに因子に分けることができます。
まず、卵子の排卵が上手く行なわれない排卵障害による不妊です。
そして、受精卵を子宮に輸送する卵管の輸送能力が低下する卵管性不妊があります。
最後に子宮に着床されない着床障害による不妊です。

特定の疾病や感染症による不妊では、病気を治療することで妊娠が可能になりますが、女性の年齢が高くなり身体の老化とともに妊娠しにくくなっている場合もあります。
実際に、30歳未満の不妊治療の割合は出産全体の7.6%であるのに対し、30~35歳では17.9%になり、35歳以上では27.3%になるとの報告がされています。
35歳以上の高齢出産では4人に1人が不妊治療を行なっていることになります。

病歴の有無にかかわらず、高齢での妊娠・出産を考える場合には、不妊という言葉を頭の片隅で意識しておくのもいいかもしれません。
少しでも不安に思うようなら、早めに産婦人科医に不妊の相談をされた方がいいでしょう。


  


高齢出産での注意点

女性の社会進出、価値観の多様化などに伴い、中高齢での妊娠・出産を選択する女性が増えています。
また、意識することなく自然に任せた結果が、中高齢での妊娠・出産となる方も、勿論大勢おられることと思います。

高年齢での妊娠や出産をすることを「高齢妊娠」「高齢出産」とよく言いますが、私たちが日常イメージする高齢とは、多くは70歳以上、80歳以上のお年寄りではないでしょうか。
では、妊娠・出産においての「高齢」とは一体何歳からのことを指すのでしょうか。

高齢出産という言葉は世界保健機関(WHO)でも使われている、世界に共通する言葉となっていますが、はっきりとした定義はされておらず、統計上または医学上、35歳以上の出産のことを高齢出産と考えられています。
日本においては、日本産婦人科学会が、35歳以上の初産婦について「高齢初産」と定義しています。
以前は30歳以上としていましたが、30歳以上で妊娠出産をする女性が増加したことや、いろいろな調査結果から、1993年に35歳以上とされました。

高齢出産と言われたり、考えたりするだけで、不安に思う方も少なくないと思います。
35歳を過ぎたからというだけで、急に何かが変わるということは勿論ありません。
私たちの身体が年を経る毎に徐々に老化し衰えていくのに伴って、妊娠・出産に対する危険性やリスクもだんだんと増していきます。
より安全な妊娠や出産をするために、高齢出産という言葉を、妊娠出産に伴う危険についての基礎知識や、危険の回避・予防のための十分な知識を得ることを喚起する言葉という風にとらえていきたいと思います。

  
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